「ハイエース以外のバンコンも検討したい」「日産のディーラーで買えるキャンピングカーはある?」。そんな方の選択肢になるのが、キャラバンのキャンピングカーです。日産キャラバンは小型貨物の4ナンバーサイズから全幅1,880mmのワイドまでそろい、日産自身が車中泊仕様車を用意しているのも特徴です。

この記事では、キャラバンのキャンピングカーを選ぶために知っておきたい現行キャラバンの仕様、日産の純正系モデル、ビルダーの代表モデルと価格、ハイエースとの違い、中古で選ぶときのポイントを解説します。バンコン全体の特徴はバンコンの解説記事をご覧ください。

キャラバンのキャンピングカーとは?ベース車の基本

キャラバンのキャンピングカーとは、日産の商用バン「キャラバン」をベースに、ベッドや電装、断熱などを架装したモデルです。まずはベース車の仕様を押さえておきましょう。

ボディサイズは3種類(バン)

日産の主要諸元表によると、キャラバンのバンには次の3つのボディがあります。

ボディ 全長×全幅×全高 ナンバー
ロング・標準幅・標準ルーフ 4,695×1,695×1,990mm 4ナンバー
スーパーロング・標準幅・ハイルーフ 5,080×1,695×2,285mm 1ナンバー
スーパーロング・ワイド幅・ハイルーフ 5,230×1,880×2,285mm 1ナンバー

※ベース車(バン)の数値です。キャンピングカーに架装すると全高や登録区分が変わる場合があります。

エンジンと駆動方式

エンジンは2.0Lガソリン(QR20DE、130PS)、2.5Lガソリン(QR25DE、147PS)、2.4Lディーゼル(4N16、132PS・最大トルク370N・m)の3種類で、トランスミッションは全車7速ATです。駆動方式は2WD(後輪駆動)と4WDがあります。

注意したいのは、ボディによって選べる組み合わせが違う点です。2025年7月の日産の発表資料では、ロングボディの4WDはディーゼルのみ、スーパーロングの4WDは2.5Lガソリンとディーゼルから選べる構成になっています。

ベース車の価格

日産公式サイトでのメーカー希望小売価格は2,708,200円から(消費税込、2025年10月現在の東京地区価格。2026年10月に確認)です。4WDやディーゼル、上級グレードを選ぶと価格は上がります。

日産の純正系キャラバンのキャンピングカー

キャラバンの大きな特徴は、日産グループ自身が車中泊向けのモデルを用意していることです。日産の販売店で相談でき、ベース車と同じ窓口で購入できます。

キャラバン マルチベッド

マルチベッドは、ロングボディ・標準ルーフのバンに折りたたみ式のベッドシステムを組み込んだ車中泊仕様車です。ベースグレードはプレミアムGX、GRAND プレミアムGX、プレミアムGX Outdoor Black Editionの3種類で、ベッド生地はグレードに合わせた素材が使われます。脱着式テーブル付きの仕様もあります。

日産が2025年7月に発表した価格は3,939,100円〜5,208,500円(消費税込)で、2.0Lガソリンの2WD、ディーゼルの2WDと4WDから選べます。架装オプションには、天井に釣り竿を5本収納できるロッドアタッチメント、バックドアにかぶせるテント、スライドウインドウ用の網戸などが用意されています。乗車定員は5人で、ナンバーは4ナンバーです。

キャラバン MYROOM

MYROOMは「部屋ごと出かけて憩うクルマ」をコンセプトにしたモデルです。セカンドシートは、表と裏で硬さの違うクッションを使った「2 in 1シート」で、ソファー・ベッド・走行用の各モードに切り替えられます。ベッドは折りたたみ式のほか、架装オプションで跳ね上げ式も選べます。AC100Vコンセントや外部電源入力も備えています。

2025年10月の発表では、仕様向上モデルを12月15日に発売し、価格は5,765,100円〜7,498,700円(消費税込)としています。特別塗装色の選択が必須で、その代金が別途加算されます。最上級のGRAND プレミアムGX MYROOMには専用断熱材が標準設定されています。

日産キャラバンの車内に展開された木目調の内装とフラットなベッド、間接照明が灯る夕暮れのキャンプ場、写実的、文字なし

ビルダーのキャラバンベース人気モデル

本格的な装備を求めるなら、キャンピングカービルダーのキャラバンベースモデルが選択肢になります。ここでは公式サイトで仕様と価格を確認できたモデルを紹介します。

レクビィ「イゾラ」「プラス リビン」

愛知県瀬戸市のレクビィは、キャラバンのスーパーロングをベースにした8ナンバーのモデルを展開しています。

モデル ベース 全長×全幅×全高 乗車/就寝 価格(税込)
イゾラ スーパーロング・標準幅 5,080×1,695×2,400mm 6名/3名 9,383,000円〜
プラス リビン スーパーロング・標準幅 5,080×1,695×2,400mm 6名/3名 6,600,000円〜
プラス リビン(ワイド幅) スーパーロング・ワイド幅 5,230×1,880×2,400mm 6名/3〜4名 公式サイトで確認

※2026年10月時点の公式サイト掲載価格です。

イゾラは防水仕様のフリールーム(シャワー設備付き)を備え、ホームエアコンやFFヒーター、300Ah相当のリチウムサブバッテリー、ソーラーパネルなどを標準装備しています。プラス リビンはレイアウトを4タイプから、シート生地や家具の柄も各3種類から選べるモデルで、レクビィ直営店のみでの販売です。

日産ピーズフィールドクラフト「OASIS(オアシス)」

日産ピーズフィールドクラフトは、日産東京販売直営のキャンピングカープロショップです。OASISはキャラバン GRAND プレミアムGX(ロングボディ・標準ルーフ・標準幅)をベースに、断熱加工、昇降式テーブル、12Lの給排水タンク付きギャレーを備えています。

仕様 価格(税込)
2WD・ガソリン 5,757,400円
2WD・ディーゼル 6,525,200円
パートタイム4WD・ディーゼル 6,827,700円

※2026年1月30日現在の公式価格表。乗車5名、就寝は大人2名(ベッドマット追加で+2名)です。

ベース車と同じ4,695mm×1,695mmの4ナンバー枠のボディで、普段使いと両立しやすいサイズです。同社のモデルは全国の日産販売店でも購入できると案内されています(一部の販売会社や直販限定のモデルを除く)。

キャラバンとハイエースの違い

キャンピングカーのベース車として比べられることが多いのがトヨタのハイエースです。メーカーの主要諸元表で確認できた主な違いをまとめました。ハイエースの人気モデルやビルダーはハイエースキャンピングカーの選び方をご覧ください。

項目 キャラバン(バン) ハイエース(バン)
標準幅・標準ルーフ 4,695×1,695×1,990mm 4,695×1,695×1,980mm
標準幅のハイルーフ スーパーロング 5,080×1,695×2,285mm ロング 4,695×1,695×2,240mm
最大ボディ 5,230×1,880×2,285mm 5,380×1,880×2,285mm
ディーゼル 2.4L・132PS・370N・m 2.8L・151PS・300N・m
トランスミッション 7速AT 6速AT

※キャラバンは日産の主要諸元表、ハイエースはトヨタの主要諸元表(2026年6月)より。

標準幅のまま長さを取れる

キャラバンには「スーパーロング・標準幅・ハイルーフ」があり、全幅1,695mmのまま全長5,080mmの室内長を確保できます。レクビィのイゾラやプラス リビンもこのボディを使っています。幅は抑えたいけれど室内に長さが欲しい人に向いた選択肢です。

ディーゼルの性格の違い

ディーゼルは、ハイエースが排気量と最高出力で上回り、キャラバンは最大トルクの数値が大きく、7速ATを組み合わせています。重い架装をする場合は、実際に試乗して加速感を比べると違いがわかりやすいでしょう。

入手性の違い

トイファクトリーは2026年6月、ハイエース キャンパー特装車などで令和8年6月末時点でも全国的に納期未定の状況が続いているとして、ハイエースベースの新規受注を一時的に持ち込み架装方式へ切り替えると発表しました。一方、日産公式サイトの工場出荷時期の目処(2026年10月16日時点)では、キャラバンは「詳しくは販売店にお問い合わせください」、キャラバン MYROOMは「4〜5ヶ月程度」と案内されています。納期は時期で変わるため、どちらも商談時に確認しましょう。

白い大型商用バンのキャンピングカー2台が並ぶ展示会場、スライドドアが開き車内のベッドとキッチンが見える、写実的、文字なし

中古でキャラバンのキャンピングカーを選ぶポイント

中古車を探す場合は、一般的なチェックに加えてキャラバンならではの確認点があります。中古選び全般の注意点は中古キャンピングカーの選び方で解説しています。

「NV350キャラバン」と「キャラバン」の違い

現行型は、以前「NV350キャラバン」の名前で販売されていました。日産の2022年2月の発表によると、ガソリン車は2021年10月、ディーゼル車は2022年4月下旬発売のマイナーチェンジで現在の「キャラバン」となり、ディーゼル車は新エンジンと7速AT、歩行者検知対応の緊急ブレーキなどを採用しています。同じ発表で、マニュアル車とディーゼル車のワイドボディは廃止されました。中古車情報では、車名と年式からどちらの仕様かを確認しましょう。

8ナンバーか4ナンバー・1ナンバーか

キャラバンのキャンピングカーは、マルチベッドのように4ナンバーのまま販売されるモデルと、OASISやレクビィの各モデルのように8ナンバー(キャンピング車)で登録されるモデルがあり、登録区分がさまざまです。車検の周期や税金が変わるため、車検証で登録区分を確認してください。8ナンバーにするには、就寝・水道・炊事設備などの構造要件を満たす必要があります。

4WDとボディの組み合わせ

雪国で使うなら4WDを選びたいところですが、キャラバンはボディとエンジンで4WDの選択肢が変わります。ロングボディの4WDは現行型ではディーゼルのみです。4WD車ならではの下回りや切り替え作動のチェックは4WDキャンピングカーの記事を参考にしてください。

架装部分の状態

サブバッテリーや給排水タンク、家庭用エアコンなどの架装部分は、ベース車とは別に状態を確認します。手持ちのキャラバンに後から装備を追加したい場合は、持ち込み架装の解説も参考になります。

中古車販売店でキャラバンベースのキャンピングカーの車内をチェックする夫婦、スタッフが電装設備を説明している様子、写実的、文字なし

まとめ

  • キャラバンのキャンピングカーは、4ナンバー枠のロングからワイドのスーパーロングまで、3つのボディから選べます
  • エンジンは2.0L・2.5Lガソリンと2.4Lディーゼルで全車7速AT。ロングボディの4WDはディーゼルのみです
  • 日産のマルチベッドやMYROOMなら、日産の販売店でベース車と同じように相談できます
  • 本格装備なら、レクビィのイゾラ・プラス リビン、日産ピーズフィールドクラフトのOASISなどが選択肢です
  • 中古はNV350キャラバン時代かどうか、登録区分、4WDの有無を必ず確認しましょう

キャラバンのキャンピングカーは、ハイエースとは違うボディ構成や純正系モデルの選びやすさが魅力です。気になるモデルはキャンピングカーショーや販売店で実車を見比べてみましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. キャラバンのキャンピングカーは普通免許で運転できますか?

この記事で紹介したモデルは、いずれも公式の乗車定員が6名以下です。普通免許で運転できるかは車両総重量などで決まるため、購入前に車検証の数値を確認してください。

Q. キャラバン マルチベッドとMYROOMはどう違いますか?

マルチベッドは折りたたみ式ベッドを組み込んだ車中泊仕様車で、2025年7月発表時の価格は約394万円からです。MYROOMはソファーになる2 in 1シートや電源設備を備えた上位のモデルで、約577万円からです。

Q. キャラバンベースのキャンピングカーに4WDはありますか?

あります。マルチベッドやOASISはディーゼルの4WDを設定しており、レクビィのイゾラやプラス リビンもディーゼル4WDの価格を公開しています。

Q. 中古で買うならNV350キャラバンでもよいですか?

予算を抑えたい場合は選択肢になります。ただし2022年のマイナーチェンジ前のディーゼル車はエンジンや変速機が現行型と異なるため、年式と仕様を確認して比較しましょう。

出典・参考

※価格や仕様、納期は変更される場合があります。最新情報は各メーカー・ビルダーの公式サイトや販売店でご確認ください。