「300万円台では物足りないけれど、600万円以上は予算オーバー」。そんな方が検討するのが新車500万円台のキャンピングカーです。この価格帯になると、ハイエースやキャラバンをベースにしたシンク付きのバンコンや、タウンエースベースの小型キャブコンが選択肢に入ります。

この記事では、2026年10月時点でメーカー・ビルダーの公式サイトに税込500万〜599万円台の価格が載っていた12モデルを紹介し、標準装備の差や、オプションで600万円を超えやすいポイント、ナンバー区分ごとの維持費の違いまで解説します。価格帯ごとの全体像はキャンピングカーの値段相場の記事もあわせてご覧ください。

新車500万円台のキャンピングカーで選べる4つのタイプ

500万円台の新車は、ベース車で見ると大きく4つのタイプに分かれます。

  • ハイエースのバンコン:バンコンは、商用バンの車内に家具や電装を組み込んだキャンピングカーです。500万円台では全長4,695mm・全幅1,695mmの「ロングバン・標準幅」が中心です
  • キャラバンのバンコン:日産の「MYROOM」や日産系の販売会社のモデルと、ビルダーのモデルが同じ価格帯に並びます
  • タウンエース・NV200の小型モデル:車体は小さくても、12Vクーラーやリチウムイオンバッテリーを標準で積むモデルや、専用の居住部を載せた小型キャブコンがあります
  • 輸入小型バン:フィアットやプジョーの小型バンに、ポップアップルーフ(屋根が持ち上がり上段に寝床ができる構造)を組み合わせたモデルです

確認した範囲では、ハイエースのスーパーロングやワイドボディを使うモデルは600万円以上のものが多くなります。トラック型のカムロードをベースにした本格的なキャブコンも、この価格帯ではまず見つかりません。たとえばAtoZのカムロードベースは、最も安いACE-Mでも842万3,800円〜(公式サイト掲載の税込価格)です。

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公式価格で確認できた500万円台の12モデル

メーカー・ビルダーの公式サイトで、2026年10月時点に税込500万〜599万円台の価格を確認できたモデルです。価格は最も安い仕様の車両本体価格で、オプションや登録諸費用は含みません。

タイプ モデル(製作) ベース車 価格(税込) 乗車/就寝
ハイエース ホビクル オーバーランダー(レクビィ) ハイエース ロングバンDX 標準ルーフ 515万9,000円〜 6名/2名
ハイエース コンパス ビッツ(ホワイトハウスキャンパー) ハイエース ロングバンDX 559万7,000円〜 5名/大人2名+子ども2名
ハイエース ホビクル オーバーランダーW(レクビィ) ハイエース ロングバンS-GL ワイド・ミドルルーフ 584万1,000円〜 5名/2名+子ども3名
キャラバン アルテ3(アネックス) キャラバン バン DXほか 540万2,100円〜 7名/大人2名+子ども1名
キャラバン OASIS(日産ピーズフィールドクラフト) キャラバン GRAND プレミアムGX 575万7,400円〜 5名/大人2名
キャラバン キャラバン MYROOM(日産) キャラバン プレミアムGX 576万5,100円〜 5名/記載なし
キャラバン ウトネ300(アネックス) キャラバン バン DXほか 595万1,000円〜 7名/4名
NV200 カヌレ エレベーティングルーフ(アネックス) NV200バネット バン GX 554万9,500円〜 5名/4名
タウンエース コットOSE・タウンランダーOSE(レクビィ) タウンエース バン GL 575万3,000円〜 5名/2名
タウンエース レジストロ・アウルII(ミスティック) タウンエース バン DX 588万1,500円〜 6名/5名
輸入バン ドブロ ルーナ POP(ホワイトハウスキャンパー) フィアット ドブロ(5人乗り) 529万9,500円〜 5名/大人4名
輸入バン リフター シエル POP(ホワイトハウスキャンパー) プジョー リフター GT 573万9,500円〜 5名/大人4名

※価格表の時点は、ホワイトハウスキャンパーが2026年4月現在、レクビィのOSEモデルが2026年9月現在、アネックスが2026年10月版、日産ピーズフィールドクラフトが2026年1月30日現在です。いずれも2026年10月時点で公式サイトに掲載されている価格です。

ハイエース系:同じロングバンでも仕様が分かれる

最も安いのは、レクビィのホビクル オーバーランダーのガソリン2WDで515万9,000円です。ホワイトハウスキャンパーのコンパス ビッツは、ポップアップルーフなしの標準ルーフが559万7,000円、ハイルーフが580万0,900円で、どちらも8ナンバー(キャンピング車)で登録されます。

キャラバン系:日産純正とビルダー製が並ぶ

キャラバン MYROOMは、ソファーとベッドを切り替えられる「2 in 1シート」を備えた4ナンバー(小型貨物)のモデルです。アネックスのアルテ3とウトネ300は7人乗りの8ナンバーです。キャラバンの車体やハイエースとの違いは、キャラバンのキャンピングカーの記事で詳しく紹介しています。

タウンエース・NV200系とキャブコン

レジストロ・アウルIIは、タウンエースバンに専用の居住部を載せた小型キャブコンで、スライド式のバンクベッド(運転席上のベッド)を含めて5名が寝られます。前モデルのタウンエーストラックからバンにベース車を変え、室内高は1,920mmです。コットOSEとタウンランダーOSEは、タウンエースバンの寸法のまま8ナンバーにしたモデルです。

同じ500万円台でも標準装備の差は大きい

価格が近くても、電装や空調がどこまで標準かはモデルによって大きく違います。公式サイトや価格表で確認できた標準装備を比べました。

モデル サブバッテリー 冷暖房 水回り・家電
ホビクル オーバーランダー 標準設定なし FFヒーターはオプション シンク、給排水各10L
コンパス ビッツ 鉛100Ah×1 エアヒーターはオプション(23万1,000円) シンク、給排水各10L
アルテ3 AGM 80Ah FFヒーターはオプション(29万7,000円) シンク、給排水各12L、冷蔵庫46L
カヌレ(ER) AGM 70Ah FFヒーターはオプション(29万7,000円) シンク、給排水各12L
コットOSE リチウムイオン(300Ah相当) FFヒーター、12Vクーラーとも標準 シンク、給排水各13L、冷蔵庫49L
レジストロ・アウルII 105Ah×1 記載なし シンク、給排水各19L、冷蔵庫49L、電子レンジ
ドブロ ルーナ POP なし(HOT Packageで追加) FFヒーターはHOT Packageに含まれる なし

電装と暖房が付いているかで「実質価格」が変わる

ホビクル オーバーランダーは、500万円台前半で買える一方、サブバッテリーや走行充電は標準で付いていません。反対にコットOSEは575万3,000円とやや高めですが、リチウムイオンバッテリー、2,000Wインバーター、FFヒーター(燃料を燃やして温める車載暖房)、12Vクーラーまで標準です。電気や暖房をどこまで使うかを決めてから、標準装備込みで比べましょう。

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輸入バンは「寝る人数」と「冬の装備」がトレードオフ

ホワイトハウスキャンパーの輸入バンは、ポップアップルーフ(POP)か、FFヒーター・42Ahのサブバッテリー・走行充電などをまとめたHOT Package(5人乗り用63万9,500円)を選ぶ仕組みです。ドブロの場合、HOT Packageだけなら482万9,500円、POPだけなら529万9,500円です。両方を付けると、公式の部品・工賃の合計から計算して約594万円になります。

価格の内訳とオプションで600万円を超えるライン

500万円台のモデルは、ベース車の価格に架装(キャンピング装備の取り付け)の費用を足して決まります。ルーフや駆動方式の選び方ひとつで600万円台に入ることも少なくありません。

ベース車+架装パッケージで価格が決まる

ホワイトハウスキャンパーの価格表では、コンパス ビッツ標準ルーフ(ガソリン2WD)の559万7,000円は、ベース車291万6,100円とキャンパーパッケージ268万0,900円の合計です。ベース車の価格改定があれば、そのまま車両本体価格に反映されます。

屋根と電装の追加で100万円単位で変わる

公式価格表から、仕様を変えたときの価格の差を抜き出しました。

モデル 500万円台の仕様 上位仕様の例 差額
カヌレ エレベーティングルーフ 554万9,500円 標準ルーフは437万2,500円 ルーフで117万7,000円
コンパス ビッツ 標準ルーフ 559万7,000円 ポップアップルーフ 656万1,700円 96万4,700円
アルテ3 標準 540万2,100円 クーラーパッケージプラス 600万9,300円 60万7,200円
ホビクル オーバーランダーW 584万1,000円 家庭用エアコン付きのA/C仕様 696万3,000円 112万2,000円

アルテ3の12Vクーラー付き「クーラーパッケージ」は578万6,000円ですが、このクーラーは外部電源かポータブルバッテリーでしか使えません。リチウム200Ahなどと組み合わせ、サブバッテリーでも動かせる「クーラーパッケージプラス」にすると600万円を超えます。

4WDやディーゼル、塗装色も見落とさない

駆動方式やグレードでも価格は上がります。レジストロ・アウルIIは2WDのDXが588万1,500円ですが、GLの2WDは603万2,000円、DXの4WDは617万6,500円です。コットOSEの4WDは599万5,000円で、500万円台にぎりぎり収まります。キャラバン MYROOMは特別塗装色の選択が必須で、プレミアムGX MYROOMでは7万1,500円または11万円が車両本体価格に加わるため、最低でも583万6,600円になります。

キャンピングカー販売店の商談テーブルに置かれた見積書と電卓、カタログ、背景にエレベーティングルーフを上げた展示車、明るい店内、写実的、文字なし

ナンバー区分で変わる車検・税金と2026年の諸費用

500万円台のモデルは8ナンバー、4ナンバー、3ナンバーと登録区分が分かれ、車検の周期や税金が変わります。

車検の周期はナンバーで異なる

登録区分 今回の主なモデル 車検の周期
8ナンバー(キャンピング車) コンパス ビッツ、ホビクル、アルテ3、カヌレ、コットOSEなど 初回2年・以降2年
4ナンバー(小型貨物) キャラバン MYROOM 初回2年・以降1年
3ナンバー(普通乗用) ドブロ ルーナ、リフター シエル 初回3年・以降2年

4ナンバーのまま使うモデルは、2回目以降の車検が毎年になる点に注意が必要です。8ナンバーの登録要件や税金の詳細は、キャンピングカー登録の条件の記事で解説しています。

自動車税は排気量で変わる

アネックスのアルテ3の価格表(2026年10月版)では、8ナンバーの自動車税(種別割・年額)はガソリン車(2.0L)で2万8,800円、ディーゼル車で3万4,800円と記載されています。ディーゼルを選ぶと税額も変わります。

2026年の税・保険の変更点

購入時にかかっていた環境性能割は2026年3月31日で廃止され、4月1日以降に登録される車両にはかかりません。

一方、自賠責保険料は2026年11月1日以降に始まる契約から全車種平均で6.2%引き上げられます。新車購入時の37か月契約では、自家用乗用車が2万4,190円から2万5,180円になります。貨物車やキャンピング車は料率が異なるため、見積書で金額を確認しましょう。

新車500万円台のキャンピングカーを買う前に確認したいこと

「暫定価格」と表示されているモデルがある

アネックスのアルテ3とウトネ300の価格表には、キャラバンのマイナーチェンジに伴う暫定価格で、30万円以上の値上げの可能性があると記載されています。契約前に最新の価格表をもらいましょう。

受注方式や販売店が限られる場合がある

トイファクトリーは2026年7月1日から、BADENなどハイエースベース4車種の新規受注を、ユーザーがトヨタ販売店でベース車を購入して持ち込む方式に一時的に変更しています。コットOSEとタウンランダーOSEはレクビィの直営店「OSE」のみの販売です。また、公式サイトで一時受注停止と表示されていたモデルは、今回の一覧から外しています。

ベース車の供給状況も確認する

アネックスは、カヌレなどNV200バネットベースのモデルについて、ベース車両供給の問題からカタログを印刷せずデータのみの提供としています。納期や値引きの進め方は、キャンピングカー新車購入ガイドも参考にしてください。

まとめ

  • 新車500万円台のキャンピングカーは、ハイエース・キャラバンのバンコン、タウンエース・NV200の小型モデル、輸入小型バンが中心で、カムロードベースのキャブコンは600万円以上が中心です
  • 2026年10月時点で公式価格を確認できたのは、ホビクル オーバーランダー(515万9,000円〜)からウトネ300(595万1,000円〜)までの12モデルです
  • サブバッテリーやFFヒーターが標準かどうかで、同じ価格帯でも実質的な価値が大きく変わります
  • ルーフ、冷房パッケージ、4WD、塗装色を足すと、600万円を超えるモデルが多くなります
  • 8ナンバー・4ナンバー・3ナンバーで車検の周期が違うほか、2026年11月から自賠責保険料が上がります

まずは「何人で寝るか」「電気と暖房をどこまで使うか」を決め、気になるモデルの最新の価格表と支払総額の見積もりを取り寄せて比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 新車500万円台でキャブコンは買えますか?

今回確認できたのは、タウンエースバンをベースにしたミスティックのレジストロ・アウルII(588万1,500円〜、乗車6名・就寝5名)です。カムロードベースの本格的なキャブコンは、確認した範囲では600万円以上が中心でした。

Q. 500万円台で家族4人が寝られるモデルはありますか?

レジストロ・アウルII(就寝5名)、カヌレのエレベーティングルーフ仕様、ウトネ300(就寝4名)、ドブロ ルーナとリフター シエルのPOP仕様(大人4名)などがあります。コンパス ビッツは大人2名+子ども2名です。

Q. 公式サイトの価格のほかにいくら用意すればいいですか?

車両本体価格に加えて、自動車税や重量税、自賠責保険料、リサイクル料金、登録手続きの費用がかかります。有料の塗装色や後付けの装備も加わるため、販売店で支払総額の見積もりを取ってから予算を決めましょう。

出典・参考

※価格・仕様は2026年10月時点で各社の公式サイトに掲載されている内容で、変更される場合があります。最新情報は各メーカー・ビルダーの公式サイトや販売店でご確認ください。