キャンピングカーで日本一周をしてみたいと思っても、「何か月かかるのか」「費用はいくらくらいか」「どちら回りでどの季節に走ればよいのか」がわからず、計画が進まない方は多いのではないでしょうか。
日本一周に決まった距離やルートはなく、どこを回り、1日に何km走り、どこに泊まるかで期間も費用も大きく変わります。この記事では「期間を決めて日本を一周する旅」を前提に、期間と距離の考え方、費用の試算方法、車両の選び方、ルートと季節の決め方、旅の間の生活、出発前の準備までを解説します。
キャンピングカーで日本一周にかかる期間と総走行距離の考え方
総走行距離はルートの取り方で大きく変わる
日本一周の総走行距離に公式な基準はなく、海岸線をなぞるのか主要国道で効率よく回るのか、寄り道をどれだけ入れるかで大きく変わります。
参考として、くるまのニュースが2023年に掲載した試算では、東京・日本橋を起点に主要国道を中心に走り、北海道と九州を経由して戻るルートで、14日間・総走行距離約7,051kmとしています。1日約500km前後を走る想定で、通過した都道府県は41、沖縄などは含まれていません。観光や休息を入れる旅では、距離も日数もこれより増えると考えておきましょう。
期間は「総走行距離÷1日の走行距離+休養日」で考える
期間の目安は、次の式で見積もると計画を立てやすくなります。
期間 = 総走行距離 ÷ 1日の平均走行距離 + 観光・休養・天候待ちの日数
たとえば総走行距離を1万kmと仮定し、1日平均200kmを走る場合、走行日だけで50日です。ここに観光や天候待ちの日を加えると、2か月を超える計画になります。キャンピングカーは車体が大きく運転の疲れもたまりやすいため、無理のない距離設定が大切です。
期間別の旅のイメージ
| 期間の目安 | 旅のスタイル |
|---|---|
| 2〜4週間 | 主要都市や名所を結ぶ駆け足型。移動日が中心になる |
| 1〜3か月 | 観光と移動のバランスが取りやすい。季節を1つか2つまたぐ |
| 3か月以上 | 各地で連泊しながら巡る滞在型。季節に合わせてルートを組める |
定住せずに車で暮らす生活そのものについては、キャンピングカー生活の始め方で住民票や住所の扱いを含めて解説しています。

キャンピングカーで日本一周する費用の内訳と試算
キャンピングカーで日本一周するときの費用は、主に「燃料代」「高速道路料金」「宿泊費」「食費・日用品」「フェリー代」に分けられます。
燃料代は総走行距離と燃費で決まる
資源エネルギー庁の集計では、2026年10月5日時点の全国平均価格はレギュラーガソリンが170.2円/L、軽油が159.6円/Lです。現在は燃料油価格の激変緩和措置(補助金)が実施されている点に注意してください。
燃料代は「総走行距離÷燃費×燃料単価」で計算できます。以下は、総走行距離を1万kmと仮定した試算です。
| 想定 | 燃料使用量 | 燃料代の目安 |
|---|---|---|
| 軽油・燃費8km/L(ディーゼルのキャブコンを想定) | 1,250L | 約19万9,500円 |
| ガソリン・燃費10km/L | 1,000L | 約17万200円 |
※燃料単価は2026年10月5日時点の全国平均で計算。燃費は仮定の数値で、実際は車種・積載量・走り方で変わります。
自分の車に近い燃費を知りたい方は、キャンピングカーの燃費でタイプ別の傾向を確認してから計算するとよいでしょう。補助の内容は変わる可能性があるため、出発直前の価格で計算し直しましょう。
高速道路料金は車種区分を確認してから見積もる
高速道路の料金は、軽自動車等・普通車・中型車・大型車・特大車の5区分で決まります。キャンピングカーはベース車や車両総重量、乗車定員などによって区分が変わることがあるため、車検証の内容を確認したうえで、高速道路会社の料金検索で区間ごとの料金を調べましょう。
宿泊費はRVパーク・キャンプ場・道の駅の使い分けで変わる
日本RV協会によると、同協会が認定する車中泊施設「RVパーク」は2026年9月末時点で全国706件です。RVパークは料金や設備が施設ごとに異なるため、公式検索サイトで1泊あたりの料金を調べ、泊数を掛けて見積もります。
道の駅は、国土交通省の発表で2026年9月4日現在1,234駅が登録されています。ただし国土交通省は、道の駅は休憩施設であり、駐車場などでの宿泊目的の利用は遠慮してほしいとしています。仮眠は認められていますが、宿泊費を道の駅で節約する前提の計画は避けたほうが安心です。泊まれる場所の種類と探し方は、キャンピングカーで泊まれる場所で詳しく紹介しています。
食費・日用品・入浴代は「1日あたり×日数」で見積もる
食費や入浴料、ランドリー代は人数やスタイルで差が大きいため、普段の生活費を基準に1日あたりの金額を決め、日数を掛けて計算しましょう。
北海道・沖縄へ渡るならフェリー代を加える
本州と九州・四国は橋やトンネルでつながっていますが、北海道と沖縄へ車で渡るにはフェリーが必要です。代表的な航路の車両運賃は次のとおりです(2026年10月時点で公式サイトに掲載されている運賃)。
津軽海峡フェリー(函館〜青森航路・片道)
| 車長 | A期間 | B期間 | C期間 |
|---|---|---|---|
| 軽自動車 | 17,900円 | 21,250円 | 23,770円 |
| 6m未満 | 21,260円 | 25,450円 | 28,600円 |
車両運賃には運転者1名分のスタンダード運賃が含まれ、同乗者は別途旅客運賃が必要です。A期間は2026年10月1日〜12月26日と2027年1月4日〜3月31日で、それ以外の期間は公式のカレンダーで確認します。6m以上の車両には燃料油価格変動調整金が加算され、6m以上7m未満では2026年10月1日〜12月31日の収受運賃が44,290円(運賃33,550円+調整金10,740円)です。
マリックスライン(鹿児島〜那覇航路・片道)
| 区分 | 車長 | 運賃 |
|---|---|---|
| 乗用車 | 4m〜5m未満 | 101,100円 |
| 乗用車 | 5m〜6m未満 | 118,800円 |
| 貨物車 | 6m〜7m未満 | 178,580円 |
2026年9月2日乗船分から適用の運賃で、燃料油価格変動調整金を含みます。運転手1名は2等室を利用できます。キャンピングカーがどの区分に当たるかは、予約時にフェリー会社へ確認しましょう。沖縄は往復の車両航送費が大きくなるため、沖縄だけ現地でレンタルするという選択肢も検討する価値があります。
日本一周に使う車両の選び方|購入・レンタル・手持ち車
手持ちの車で行く
すでにキャンピングカーを持っている場合は、追加の車両費がかからないのが利点です。出発前に点検・整備を済ませ、車検の満了日が旅の期間中に来ないかも確認しておきましょう。
レンタルで行く
購入が難しい場合は、長期レンタルという方法があります。走行距離の上限や超過料金、返却場所が決められていることが多いため、契約前に確認してください。長期レンタルの料金相場や注意点は、キャンピングカー1ヶ月レンタルの料金相場で解説しています。
購入して行く
旅のあとも使い続けるなら購入も選択肢です。次のポイントを意識して選ぶと失敗しにくくなります。
- 狭い道や山道を走るなら、取り回しのよいバンコンや軽キャンピングカー
- 夫婦で長期滞在するなら、就寝スペースと収納に余裕のあるキャブコン
- 電源のない場所に泊まるなら、サブバッテリーやソーラーパネルの容量
- フェリーに乗せるなら、車長6mを超えるかどうか(運賃区分が変わるため)

日本一周のルートの決め方|時計回り・反時計回りと季節
まずは季節から逆算する
ルートを決めるときは、「どこをどの季節に走りたいか」から逆算すると計画がまとまりやすくなります。一般的に、北海道は夏から初秋にかけてが走りやすく、冬は積雪や路面凍結への備えが必要になります。反対に九州南部や沖縄は、冬でも比較的過ごしやすい地域です。
時計回りと反時計回りの考え方
| 回り方 | 季節との組み合わせの例 |
|---|---|
| 春に出発して北上 | 春に西日本・本州を回り、夏に北海道へ渡る |
| 夏に北海道から南下 | 夏に北海道を回り、秋に本州を下って冬に九州・沖縄へ |
どちら回りが正解ということはありません。出発地と出発時期、北海道と沖縄をどの季節に回りたいかで決めましょう。北海道のルートや見どころは、キャンピングカーで北海道旅行で詳しく紹介しています。
ルートは「区間ごと」に組み立てる
最初から細かい行程をすべて決める必要はありません。北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州沖縄のように区間に分け、行きたい場所と日数の目安だけ決めておくと、天候や体調に合わせて組み替えられます。夏から秋は台風、冬は積雪でフェリーの欠航や通行止めが起こることもあるため、区間ごとに予備日を入れておくと安心です。
旅の間の生活|ゴミ・入浴・洗濯・郵便物・仕事
ゴミの処理
長期の旅で困りやすいのがゴミの処理です。道の駅やサービスエリアのゴミ箱に家庭ゴミを捨てるのはマナー違反とされることが多いため、ゴミ処理が可能な宿泊施設を選ぶのが基本です。日本RV協会はRVパークの開設に必要なこととして、ごみ処理が可能であることを挙げています。
入浴と洗濯
入浴は温泉施設や銭湯を利用するのが一般的です。RVパークの開設条件には「入浴施設が近隣にあること(車で15分圏内)」が含まれているため、入浴先を探す手間を減らせます。洗濯はコインランドリーを数日おきに使い、休養日に合わせると効率的です。
郵便物の受け取り
旅の期間中も、自宅に届く郵便物の管理が必要です。家族に預かってもらう方法のほか、日本郵便の「郵便局留め」を使えば、指定した郵便局で郵便物を受け取れます。局留めの保管期間は郵便局に到着した日の翌日から10日間で、受け取りには本人確認書類が必要です。期間を過ぎると差出人に返送されるため、旅程に合わせて受け取り局を指定しましょう。
旅をしながら仕事をする場合
リモートワークをする場合は、通信環境と電源の確保が欠かせません。電波状況は地域で異なるため、仕事をする日は市街地の近くに泊まるなど、ルートと組み合わせて計画します。RVパークの開設条件には100V電源の使用が含まれています。

出発前の準備リストと日本一周の注意点
出発前の準備リスト
| 分類 | 準備しておくこと |
|---|---|
| 車両 | 点検・整備、タイヤとバッテリーの確認、車検の満了日の確認 |
| 書類 | 運転免許証、車検証、自賠責・任意保険の内容とロードサービス |
| お金 | 費用の試算、支払い手段(現金・カード・ETC) |
| 生活 | 寝具、季節に合わせた衣類、調理器具、ゴミ袋、常備薬 |
| 連絡 | 郵便物の受け取り方法、家族との連絡手段 |
| 予約 | フェリー、繁忙期のRVパークやキャンプ場 |
日本一周の注意点
キャンピングカーで日本一周をするときは、次の点に注意しましょう。
- 無理な走行計画を立てない:疲れがたまると事故のリスクが高まります。休養日を計画に組み込みます
- 宿泊場所のルールを守る:道の駅は宿泊目的の利用を遠慮するよう求められています。泊まる場所はRVパークやキャンプ場を基本にします
- 季節の装備を用意する:北海道や山間部を寒い時期に走るなら、冬用タイヤやチェーンが必要になる場合があります
- 費用は余裕を持って見積もる:故障や予定変更に備えて、試算より多めの予備費を用意しておきます
まとめ
- キャンピングカーで日本一周する期間は「総走行距離÷1日の走行距離+休養日」で考えると現実的な計画になります
- 費用は燃料代・高速代・宿泊費・食費・フェリー代に分けて試算し、燃料代は総走行距離と燃費から計算します
- 北海道・沖縄へ渡るならフェリー代が大きな項目になり、車長6mを超えるかどうかで運賃が変わります
- ルートは季節から逆算し、北海道は夏から初秋、九州南部・沖縄は冬を目安に回り方を決めるのが一つの考え方です
- 宿泊はRVパークやキャンプ場を基本にし、ゴミ・入浴・郵便物などの生活面も出発前に準備しておきます
まずは行きたい場所と季節を書き出し、区間ごとの日数と費用を見積もるところから始めてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. キャンピングカーで日本一周するには何日くらいかかりますか?
ルートや1日の走行距離で大きく変わります。主要国道を1日約500km走る試算で14日間という例もありますが、観光や休養を入れるなら1〜3か月以上を見込むのが現実的です。
Q. キャンピングカーで日本一周する費用はいくらですか?
人数や期間、泊まる場所で大きく変わります。燃料代は総走行距離1万km・燃費8km/L・軽油159.6円/Lと仮定すると約20万円で、これに高速代・宿泊費・食費・フェリー代を加えて試算します。
Q. 日本一周は時計回りと反時計回りのどちらがよいですか?
どちらが正解ということはありません。北海道を夏から初秋に、九州南部や沖縄を冬に回れるように、出発時期から逆算して決めるのがおすすめです。
Q. レンタルのキャンピングカーでも日本一周できますか?
長期レンタルで日本一周することは可能です。ただし走行距離の上限や超過料金、返却場所の条件がある場合が多いため、契約前に確認してください。
Q. 道の駅に泊まりながら日本一周できますか?
国土交通省は、道の駅は休憩施設であり宿泊目的の利用は遠慮するよう求めています。仮眠は認められていますが、宿泊はRVパークやキャンプ場を中心に計画しましょう。
出典・参考
- ガソリン全国平均価格の推移(2026年10月5日時点) – 資源エネルギー庁 燃料油価格激変緩和措置
- RVパーク 2026年9月末時点で全国706件 – 日本RV協会(PR TIMES/レスポンス)
- RVパークとは(開設に必要なこと) – 日本RV協会
- RVパーク公式検索サイト – 日本RV協会
- 「道の駅」の登録数 – 国土交通省
- 「道の駅」Q&A – 国土交通省 九州地方整備局
- 函館〜青森航路 運賃 – 津軽海峡フェリー
- 自動車航送運賃表 – マリックスライン
- 郵便局留め(局留) – 日本郵便
- 高速道路の車種区分 – ドラぷら(NEXCO東日本)
- クルマで「日本一周」何日&いくら掛かる? – くるまのニュース
※燃料価格・フェリー運賃・施設数は2026年10月時点の情報です。料金や制度は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。