キャンピングカーの購入を検討する際、見落としがちなのが「どこに駐車・保管するか」という問題です。一般的な乗用車よりも車体が大きいキャンピングカーは、駐車場選びに制限があり、事前に保管場所を確保しておく必要があります。
この記事では、キャンピングカーの駐車場問題について、タイプ別の必要サイズや費用相場、探し方のコツから車庫証明の取得方法まで詳しく解説します。
キャンピングカーの駐車場が問題になる理由
キャンピングカーは一般的な乗用車とは異なるサイズや形状のため、駐車場選びに苦労することがあります。
一般的な駐車場に入らないケースが多い
日本の一般的な月極駐車場は、普通乗用車を基準に設計されています。
一般的な駐車場のサイズ: – 幅: 2.3〜2.5m – 長さ: 5.0〜5.5m – 高さ: 2.0〜2.1m(立体駐車場の場合)
キャンピングカー、特にキャブコンやバスコンはこのサイズを超えることが多く、立体駐車場は利用できないケースがほとんどです。
タイプ別の車両サイズ
| タイプ | 全長 | 全幅 | 全高 |
|---|---|---|---|
| 軽キャンピングカー | 3.4m | 1.5m | 1.9〜2.2m |
| バンコン(ハイエース) | 4.8〜5.4m | 1.9m | 2.1〜2.3m |
| キャブコン | 4.7〜5.5m | 2.0〜2.1m | 2.7〜3.0m |
| バスコン | 6.3〜7.0m | 2.1m | 2.6〜3.0m |
キャブコンやバスコンは全高が2.5mを超えるため、高さ制限のある駐車場には停められません。
購入前に駐車場を確保すべき理由
キャンピングカーを購入する際、車庫証明の取得が必要です。車庫証明は「自動車の保管場所の確保等に関する法律」に基づき、自宅から2km以内に保管場所があることを証明するものです。
駐車場が見つからないと車庫証明が取得できず、購入手続きが進められません。必ず購入前に保管場所を確保しておきましょう。
タイプ別の駐車場選び
キャンピングカーのタイプによって、駐車場に求められる条件が異なります。キャンピングカーの種類については「キャンピングカーの種類一覧」で解説しています。
軽キャンピングカーの駐車場
必要サイズ: 幅2.0m × 長さ4.0m × 高さ2.3m
軽キャンピングカーは最も駐車場選びが楽なタイプです。多くの月極駐車場に収まり、一部の立体駐車場も利用できます。
駐車場の選択肢: – 一般の月極駐車場(ほぼすべて利用可能) – 自宅の軽自動車用スペース – 機械式駐車場(高さ制限に注意)
ただし、ポップアップルーフを搭載したモデルは、ルーフを閉じた状態の高さを確認してください。
バンコンの駐車場
必要サイズ: 幅2.3m × 長さ5.5m × 高さ2.5m
バンコンはハイルーフ車が多いため、高さ制限のある駐車場は利用できないことがあります。
駐車場の選択肢: – ハイルーフ対応の月極駐車場 – 青空駐車の月極駐車場 – 自宅の駐車スペース(拡張が必要な場合も)
「ハイルーフ可」と記載された駐車場を探すか、高さ制限のない平面駐車場を選びましょう。
キャブコンの駐車場
必要サイズ: 幅2.5m × 長さ6.0m × 高さ3.2m
キャブコンは全高が高く、全長も長いため、駐車場選びが最も難しいタイプです。
駐車場の選択肢: – 大型車対応の月極駐車場 – トラック・バス用駐車場 – 貸し倉庫・資材置き場 – 自宅敷地(十分なスペースがある場合)
キャブコンの駐車場は選択肢が限られるため、早めに探し始めることをおすすめします。
バスコンの駐車場
必要サイズ: 幅2.5m × 長さ7.5m × 高さ3.2m
バスコンは最も大きなサイズのため、専用の保管場所が必要です。
駐車場の選択肢: – 大型車専用駐車場 – 観光バス用駐車場 – 工場・倉庫の敷地 – 農地の一角(転用許可が必要な場合あり)
バスコンオーナーの多くは、専用の保管場所を持っているか、郊外の広い駐車場を借りています。
駐車場の費用相場
キャンピングカーの駐車場費用は、地域や駐車場のタイプによって大きく異なります。
地域別の費用相場
| 地域 | 軽キャン・バンコン | キャブコン | バスコン |
|---|---|---|---|
| 東京23区 | 30,000〜50,000円 | 40,000〜80,000円 | 50,000〜100,000円 |
| 東京郊外 | 15,000〜30,000円 | 25,000〜50,000円 | 35,000〜70,000円 |
| 大阪市内 | 20,000〜40,000円 | 30,000〜60,000円 | 40,000〜80,000円 |
| 地方都市 | 5,000〜15,000円 | 10,000〜25,000円 | 15,000〜40,000円 |
| 郊外・田舎 | 3,000〜8,000円 | 5,000〜15,000円 | 8,000〜25,000円 |
※月額料金の目安。敷金・礼金が必要な場合もあります。
駐車場タイプ別の費用
月極駐車場(平面・青空): – 最も一般的で費用も抑えられる – 大型車対応の場合は通常の1.5〜2倍の料金
屋根付き駐車場: – 青空駐車より1.5〜2倍高い – 日焼けや雨からの保護ができる
屋内ガレージ: – 最も高額(月5〜15万円の場合も) – セキュリティ面で安心
貸し倉庫・資材置き場: – 意外と安い場合がある(月1〜3万円) – 設備が整っていないことが多い
年間の駐車場代
駐車場代は維持費の中で大きな割合を占めます。
年間の駐車場代シミュレーション:
| 月額料金 | 年間費用 |
|---|---|
| 10,000円 | 120,000円 |
| 20,000円 | 240,000円 |
| 30,000円 | 360,000円 |
| 50,000円 | 600,000円 |
年間の維持費全体については「キャンピングカーの維持費は年間いくら?」をご覧ください。
駐車場の探し方
キャンピングカー用の駐車場を効率よく探す方法を紹介します。
不動産サイト・アプリで探す
一般的な駐車場検索サイトやアプリでも、条件を絞り込んで探すことができます。
おすすめの検索サイト: – 駐車場検索サイト(タイムズ、akippaなど) – 不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’Sなど) – 地域の不動産会社のサイト
検索時は「大型車可」「ハイルーフ可」「高さ制限なし」などの条件で絞り込みましょう。
キャンピングカー販売店に相談する
キャンピングカーの販売店は、地域の駐車場情報を持っていることが多いです。
- 購入前に駐車場の相談ができる
- オーナー同士のネットワークで情報が得られることも
- 一時保管サービスを提供している店舗もある
購入を検討している販売店に、まず駐車場について相談してみましょう。
地域の掲示板・SNSで探す
地域のコミュニティサイトやSNSで、駐車場の貸し手を探す方法もあります。
- 地域の掲示板(ジモティーなど)
- FacebookやTwitterの地域グループ
- キャンピングカーオーナーのコミュニティ
個人間の取引になるため、契約内容はしっかり確認しましょう。
直接足で探す
理想の駐車場は、実際に歩いて探すのが確実です。
- 自宅周辺の空き地や駐車場を確認
- 「貸し駐車場」の看板を探す
- 資材置き場や工場の駐車場に交渉
特に郊外では、表に出ていない駐車場情報が見つかることもあります。
自宅に駐車する場合のポイント
自宅の敷地にキャンピングカーを駐車できれば、駐車場代を節約できます。
必要なスペースの確認
まず、キャンピングカーが収まるスペースがあるか確認しましょう。
チェックポイント: – 駐車に必要な幅・長さ・高さ – 出入りの際の回転スペース – 電柱や植栽などの障害物 – 隣家との境界線
実際に車両のサイズを紐やテープでマーキングして、イメージを確認するのがおすすめです。
駐車スペースの整備
自宅の庭や空きスペースを駐車場にする場合、整備が必要になることがあります。
整備の費用目安: – 砂利敷き: 5〜10万円 – コンクリート舗装: 15〜30万円 – アスファルト舗装: 10〜25万円
※面積や地盤の状態によって異なります。
ご近所への配慮
自宅に大きなキャンピングカーを駐車する場合、ご近所への配慮も大切です。
- 道路へのはみ出しに注意
- 出入りの際の安全確認
- エンジンをかける時間帯への配慮
- 景観への影響(車両カバーの使用など)
トラブルを避けるため、事前にご近所に挨拶しておくと良いでしょう。
車庫証明の取得方法
キャンピングカーを購入する際、車庫証明(自動車保管場所証明書)の取得が必要です。
車庫証明に必要な条件
車庫証明を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 使用の本拠の位置から2km以内に保管場所がある
- 道路から支障なく出入りできる
- 自動車全体を収容できるスペースがある
- 保管場所を使用する権原を有する(所有または賃借)
必要書類
月極駐車場を借りる場合: – 自動車保管場所証明申請書 – 保管場所標章交付申請書 – 保管場所使用承諾証明書(駐車場オーナーから取得) – 所在図・配置図
自宅敷地を使用する場合: – 自動車保管場所証明申請書 – 保管場所標章交付申請書 – 自認書(保管場所使用権原疎明書面) – 所在図・配置図
申請の流れと費用
- 必要書類を揃える
- 管轄の警察署に申請
- 現地確認(警察による)
- 交付(申請から3〜7日程度)
費用: – 申請手数料: 約2,000〜2,200円 – 標章交付手数料: 約500〜600円
※都道府県によって異なります。
駐車場を借りる際の注意点
駐車場を契約する前に、確認しておくべきポイントを紹介します。
サイズの確認
契約前に必ず実際の駐車場を確認し、サイズを測りましょう。
確認項目: – 駐車スペースの幅・長さ・高さ – 出入り口の幅と高さ – 周囲の車との間隔 – 切り返しのスペース
実際にキャンピングカーで現地に行き、駐車できるか試すのがベストです。
契約条件の確認
駐車場の契約内容をしっかり確認しましょう。
確認すべき条件: – 契約期間と更新条件 – 敷金・礼金の有無 – 解約時の条件 – 車両サイズの制限 – 深夜・早朝の出入り制限 – 電源や水道の使用可否
保険・セキュリティの確認
駐車場でのトラブルに備えて、保険やセキュリティも確認しておきましょう。
- 駐車場内での事故・盗難時の補償
- 防犯カメラの有無
- 夜間の照明
- 出入り口の施錠
自動車保険の盗難補償や、車両保険の適用条件も確認しておくと安心です。
保管時のメンテナンスと注意点
駐車場に保管している間も、適切なメンテナンスが必要です。
定期的な移動
長期間同じ場所に駐車していると、タイヤの変形やバッテリー上がりの原因になります。
- 最低でも月1〜2回はエンジンをかけて走行
- タイヤの空気圧をチェック
- サブバッテリーの充電状態を確認
日焼け・劣化対策
青空駐車の場合、紫外線による劣化を防ぐ対策が有効です。
- 車両カバーの使用
- ウインドウのサンシェード
- 外装のコーティング
キャンピングカーを長持ちさせるコツは「キャンピングカーは何年乗れる?」で詳しく解説しています。
雨漏り・湿気対策
キャンピングカーは雨漏りや湿気に弱いため、定期的なチェックが必要です。
- シーリング部分の点検
- 室内の換気
- 除湿剤の設置
特にキャブコンは架装部分の防水が重要です。雨の後は室内を確認しましょう。
まとめ
キャンピングカーの駐車場問題について解説しました。
- 購入前に保管場所を確保することが必須(車庫証明のため)
- タイプによって必要サイズが異なる(軽キャンは楽、キャブコン以上は要注意)
- 月額費用は地域によって5,000〜50,000円と幅がある
- 自宅保管できれば維持費を大幅に節約可能
- 契約前に実際のサイズ確認を必ず行う
キャンピングカー購入の第一歩として、まず保管場所の目途を立てることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. マンションの駐車場にキャンピングカーは停められる?
マンションの駐車場は高さ制限があることが多く、軽キャン以外は難しい場合がほとんどです。バンコンでもハイルーフ車は制限を超えることが多いです。マンションの管理組合に確認し、別途駐車場を探す必要があるかもしれません。
Q. 駐車場が見つからない場合はどうする?
検索範囲を自宅から2km以内に広げて探しましょう。それでも見つからない場合は、キャンピングカー販売店に相談したり、資材置き場や工場の空きスペースを直接交渉する方法もあります。軽キャンやコンパクトなバンコンへの変更も検討の余地があります。
Q. 車庫証明は必ず必要?
普通車サイズのキャンピングカーは車庫証明が必須です。軽自動車の場合は、地域によって届出が必要な場合と不要な場合があります。届出が必要な地域では「保管場所届出」を行います。詳しくは管轄の警察署に確認してください。
Q. 駐車場で充電や作業はできる?
一般的な月極駐車場では、電源の使用や洗車・メンテナンス作業が禁止されていることが多いです。契約時に確認し、電源や水道が使える駐車場を探すか、自宅で作業できる環境を整えましょう。
Q. 一時的に停める場所(出先)はどう探す?
旅行先では道の駅、SA・PA、RVパーク、オートキャンプ場などが利用できます。大型ショッピングモールの駐車場も大型車対応のスペースがあることが多いです。ただし、車中泊が禁止されている場所もあるため、事前に確認しましょう。
参考情報
- 警察庁「自動車の保管場所の確保等に関する法律」
- 一般社団法人日本RV協会(JRVA)公式サイト
- 各自治体の車庫証明に関するページ