キャンピングカーの購入を検討する際、「燃費はどのくらい悪いのか」は気になるポイントです。一般的な乗用車と比べると燃費が悪いイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。

この記事では、キャンピングカーの燃費をタイプ別に詳しく解説し、燃費が悪くなる原因や改善方法、年間の燃料費シミュレーションまでお伝えします。購入前に燃料費を把握して、計画的なカーライフを送りましょう。

キャンピングカーの燃費は実際どのくらい?

キャンピングカーの燃費は、車両タイプやベース車両、エンジン種類によって大きく異なります。結論から言うと、軽キャンで12〜15km/L、バンコンで7〜10km/L、キャブコンで5〜8km/Lが一般的な実燃費です。

タイプ別の実燃費一覧

タイプ 実燃費(目安) 燃料タイプ
軽キャンピングカー 12〜15km/L ガソリン
バンコン(ガソリン) 6〜8km/L ガソリン
バンコン(ディーゼル) 8〜11km/L 軽油
キャブコン 5〜8km/L ガソリン/軽油
バスコン 4〜6km/L 軽油

一般的な乗用車の燃費が15〜20km/L程度であることを考えると、キャンピングカーの燃費は確かに悪いと言えます。しかし、車両の重量や用途を考えれば妥当な数値です。

カタログ燃費と実燃費の違い

カタログに記載されている燃費(WLTCモード)と、実際に走行したときの燃費には差があります。キャンピングカーの場合、実燃費はカタログ値の70〜80%程度になることが多いです。

実燃費が下がる要因:

  • 架装による重量増加(200〜500kg)
  • エアコンやFFヒーターなど装備の使用
  • 荷物の積載
  • 高速道路での風の抵抗

特にキャブコンは架装部分が箱型になっているため、空気抵抗が大きく、燃費への影響が顕著です。

タイプ別の燃費を詳しく解説

キャンピングカーの種類ごとに、燃費の特徴を詳しく見ていきましょう。キャンピングカーの種類については「キャンピングカーの種類一覧」で解説しています。

軽キャンピングカーの燃費

実燃費: 12〜15km/L

軽キャンピングカーは、キャンピングカーの中で最も燃費が良いタイプです。ベース車両が軽自動車のため、エンジン排気量が660ccと小さく、車両重量も軽いことが理由です。

主なベース車両と燃費:

ベース車両 カタログ燃費 実燃費(目安)
エブリイ 13.4km/L 11〜14km/L
N-VAN 17.0km/L 13〜16km/L
アトレー 14.7km/L 12〜15km/L

軽キャンは普段使いとの兼用が多く、通勤や買い物にも使えるため、トータルでの燃料費を抑えやすいのがメリットです。

バンコンの燃費

実燃費: 6〜11km/L(ガソリン6〜8km/L、ディーゼル8〜11km/L)

バンコンはハイエースやキャラバンをベースにしたタイプで、エンジンの種類によって燃費が大きく変わります。

ハイエースの燃費比較:

エンジン 排気量 カタログ燃費 実燃費(目安)
ガソリン 2.7L 9.1km/L 6〜8km/L
ディーゼル 2.8L 12.4km/L 8〜11km/L

ディーゼル車は燃費が良く、燃料単価も安いため、年間のランニングコストを大幅に抑えられます。長距離を走る方にはディーゼル車がおすすめです。

キャブコンの燃費

実燃費: 5〜8km/L

キャブコンはトラックシャーシに居住空間を架装したタイプで、車両重量が重く、空気抵抗も大きいため、燃費は良くありません。

主なベース車両と燃費:

ベース車両 車両総重量 実燃費(目安)
カムロード 約3.0t 6〜8km/L
タウンエーストラック 約2.5t 7〜9km/L
ボンゴトラック 約2.5t 6〜8km/L

キャブコンは居住性と引き換えに燃費を犠牲にしていますが、快適な車内空間で旅を楽しめることを考えれば、納得できる方も多いでしょう。

バスコンの燃費

実燃費: 4〜6km/L

バスコンはマイクロバスやコースターをベースにした大型キャンピングカーで、燃費は最も悪くなります。

ただし、バスコンを選ぶ方は居住性や収容人数を重視しており、燃費は二の次という考え方が一般的です。大人数での旅行では、複数台で移動するよりも1台のバスコンで移動した方がトータルの燃料費は安くなる場合もあります。

ガソリン車とディーゼル車の比較

キャンピングカー、特にバンコンやキャブコンでは、ガソリン車とディーゼル車を選べる場合があります。それぞれのメリット・デメリットを比較しましょう。

ガソリン車のメリット・デメリット

メリット:

  • 車両価格が安い(ディーゼルより30〜50万円安いことが多い)
  • エンジン音が静か
  • メンテナンスがシンプル

デメリット:

  • 燃費が悪い
  • 燃料単価が高い(軽油より20〜30円/L高い)
  • トルクが細く、坂道や重積載時にパワー不足を感じやすい

ディーゼル車のメリット・デメリット

メリット:

  • 燃費が良い(ガソリン車より約20〜30%良好)
  • 燃料単価が安い
  • 低速トルクが太く、坂道や重積載時でも力強い

デメリット:

  • 車両価格が高い
  • エンジン音が大きい
  • DPF(排気ガス浄化装置)のメンテナンスが必要

年間燃料費のシミュレーション

年間1万kmを走行した場合の燃料費を比較してみましょう。

バンコン(ハイエース)の場合:

項目 ガソリン車 ディーゼル車
実燃費 7km/L 9km/L
燃料単価 160円/L 140円/L
年間燃料消費量 約1,429L 約1,111L
年間燃料費 約228,640円 約155,540円
差額 約73,100円お得

年間約7万円の差が出るため、長く乗るほどディーゼル車のメリットが大きくなります。5年間で約36万円、10年間で約73万円の差になります。

キャンピングカーの燃費が悪くなる原因

キャンピングカーの燃費が一般車より悪い理由と、さらに燃費を悪化させる要因を解説します。

車両重量の影響

キャンピングカーは架装によって車両重量が増加します。

タイプ ベース車両重量 架装後重量 増加量
軽キャン 約900kg 約1,000〜1,100kg +100〜200kg
バンコン 約2,000kg 約2,300〜2,600kg +300〜600kg
キャブコン 約1,500kg 約2,500〜3,500kg +1,000〜2,000kg

車両重量が100kg増えると、燃費は約1%低下すると言われています。

空気抵抗の影響

特にキャブコンは箱型の架装が空気抵抗を大きくします。高速道路での走行では空気抵抗の影響が顕著で、80km/h以上では燃費が大幅に悪化します。

バンコンでもポップアップルーフを上げた状態では空気抵抗が増し、燃費に影響します。

装備の使用による影響

キャンピングカー特有の装備も燃費に影響します。

  • エアコン: 燃費が5〜10%悪化
  • FFヒーター: 燃料を直接消費(1時間あたり約0.1〜0.3L)
  • サブバッテリーへの充電: オルタネーターの負荷増加

これらの装備は快適な車中泊に欠かせませんが、燃費とのトレードオフがあることを理解しておきましょう。

燃費を改善する7つの方法

キャンピングカーの燃費を少しでも良くするためのコツを紹介します。

エコドライブを心がける

燃費向上の基本はエコドライブです。

  • 急加速・急ブレーキを避ける: 発進時はゆっくりアクセルを踏む
  • 一定速度で走行: アクセルの踏み込み量を一定に保つ
  • 早めのアクセルオフ: 赤信号が見えたら早めにアクセルを離す

適切な速度で走行する

高速道路では、速度を上げるほど空気抵抗が増し、燃費が悪化します。

走行速度 燃費への影響
80km/h 基準
100km/h 約10%悪化
120km/h 約20%悪化

キャンピングカーは車高が高く、空気抵抗の影響を受けやすいため、80〜90km/h程度での巡航がおすすめです。急がない旅を楽しみましょう。

タイヤの空気圧を適正に保つ

タイヤの空気圧が低いと転がり抵抗が増え、燃費が悪化します。

  • 月1回は空気圧をチェック
  • キャンピングカーは荷物を積むため、やや高めの空気圧を維持
  • 長距離走行前は必ず確認

空気圧が適正値より10%低いと、燃費は約1%悪化すると言われています。

不要な荷物を降ろす

車両重量が増えると燃費が悪化します。必要のない荷物は降ろしておきましょう。

  • 使用頻度の低い装備は自宅で保管
  • 水タンクは必要な分だけ補充
  • 出発前に荷物の見直しを

100kgの軽量化で約1%の燃費改善が期待できます。

メンテナンスをしっかり行う

エンジンの調子が悪いと燃費も悪化します。

  • エンジンオイルの定期交換(5,000km毎)
  • エアフィルターの清掃・交換
  • スパークプラグの点検(ガソリン車)
  • 燃料フィルターの交換

定期的なメンテナンスで、エンジン本来の性能を維持しましょう。メンテナンスについては「キャンピングカーは何年乗れる?」でも解説しています。

ルート選びを工夫する

燃費を意識したルート選びも効果的です。

  • 渋滞を避けるルートを選ぶ
  • アップダウンの少ない道を選ぶ
  • 高速道路よりも下道の方が燃費が良い場合も

カーナビの燃費優先ルートを活用するのもおすすめです。

燃料の入れ方を工夫する

給油のタイミングも燃費に影響します。

  • 早朝や夜間の涼しい時間帯に給油(燃料の膨張を避ける)
  • 満タンにしすぎない(重量増加を避ける)
  • 燃料が減りすぎる前に給油(燃料ポンプの負担軽減)

年間燃料費のシミュレーション

キャンピングカーを所有した場合の年間燃料費を、使用パターン別にシミュレーションしてみましょう。

ケース1: 月1〜2回の週末利用

年間走行距離: 約5,000km

タイプ 燃費 燃料単価 年間燃料費
軽キャン 13km/L 160円 約61,500円
バンコン(ディーゼル) 9km/L 140円 約77,800円
キャブコン 6km/L 160円 約133,300円

ケース2: 週末ごとに利用

年間走行距離: 約10,000km

タイプ 燃費 燃料単価 年間燃料費
軽キャン 13km/L 160円 約123,100円
バンコン(ディーゼル) 9km/L 140円 約155,600円
キャブコン 6km/L 160円 約266,700円

ケース3: 長期旅行や車中泊生活

年間走行距離: 約20,000km

タイプ 燃費 燃料単価 年間燃料費
軽キャン 13km/L 160円 約246,200円
バンコン(ディーゼル) 9km/L 140円 約311,100円
キャブコン 6km/L 160円 約533,300円

年間の維持費全体については「キャンピングカーの維持費は年間いくら?」をご覧ください。

まとめ

キャンピングカーの燃費について解説しました。

  • キャンピングカーの燃費は軽キャン12〜15km/L、バンコン7〜10km/L、キャブコン5〜8km/Lが目安
  • ディーゼル車はガソリン車より燃費が良く、燃料単価も安いためランニングコストを抑えられる
  • 燃費悪化の原因は車両重量の増加、空気抵抗、装備の使用
  • エコドライブや適正な空気圧維持で燃費改善が可能
  • 使用頻度に応じた年間燃料費を把握して計画的にカーライフを楽しもう

燃費は確かに一般車より悪いですが、車中泊旅行で得られる自由や体験を考えれば、十分に価値があると感じる方も多いでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. キャンピングカーで最も燃費が良いのはどのタイプ?

軽キャンピングカーが最も燃費が良く、12〜15km/L程度です。エブリイやN-VANをベースにした車両は、架装による重量増加が少なく、燃費への影響も最小限に抑えられています。普段使いとの兼用も可能なため、トータルでの燃料費を抑えやすいタイプです。

Q. ディーゼル車とガソリン車、どちらがお得?

年間走行距離が1万km以上の場合は、ディーゼル車がお得になる傾向があります。燃費の良さと燃料単価の安さで、年間約7万円の差が出ることもあります。車両価格はディーゼル車の方が30〜50万円高いですが、5年程度で元が取れる計算です。

Q. 燃費を気にせずキャンピングカーを楽しむコツは?

燃費を「コスト」ではなく「旅の投資」と考えることがポイントです。宿泊費が不要になる、食事を自炊できる、時間に縛られない旅ができるなど、キャンピングカーならではのメリットと比較すると、燃料費は許容範囲と感じる方が多いです。また、急がない旅を心がけることで、自然と燃費も改善します。

Q. キャンピングカーにハイブリッド車はある?

現時点では、ハイブリッドエンジンを搭載したキャンピングカーは限られています。一部の軽キャンでマイルドハイブリッドを搭載した車両がありますが、本格的なハイブリッドキャンピングカーは今後の技術発展に期待です。電気自動車ベースのキャンピングカーも開発が進んでいます。

Q. 高速道路と一般道、どちらが燃費が良い?

キャンピングカーの場合、一般道の方が燃費が良いケースがあります。高速道路では速度が上がるほど空気抵抗が増え、燃費が悪化します。特にキャブコンは箱型の架装が空気抵抗を受けやすいため、80km/h以下での走行が燃費的には有利です。ただし、渋滞が多い一般道では燃費が悪化するため、状況に応じて判断しましょう。

参考情報

  • トヨタ自動車「ハイエース」公式サイト(燃費情報)
  • 日産自動車「キャラバン」公式サイト(燃費情報)
  • 一般社団法人日本RV協会(JRVA)公式サイト
  • 各キャンピングカービルダー公式サイト